ストレスのある出来事が続く場合、不眠は慢性化しやすくなります。
また、眠れないこと自体への恐怖心から、眠ろうと努力すればするほど、不眠はかえって悪化する傾向があります。

高血圧や心臓病、咳、発作などの呼吸器疾患、腎臓病、頻尿、糖尿病、関節リウマチなど、病気により不眠が生じます。不眠そのものより、背後にある病気の治療が必要となります。

こころの病気の多くは不眠を伴い、近年は、うつ病にかかる人が増えています。
単なる不眠だと思っていたら、うつ病だったということもあります。
不眠症状や過眠症状とともに、気分の落ち込みや意欲減退、興味の減退などの症状がみられる場合は早めに専門医を受診してください。

服用している治療薬が原因で不眠症状が伴うこともあります。
睡眠を妨げる薬は、降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などが挙げられ、抗ヒスタミン薬は日中の眠気が出ます。

アルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因で起こる不眠もあります。
コーヒー、紅茶などに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどには覚醒作用があります。また、カフェインには利尿作用があるため、トイレで起きるといったこともあります。

体内時計（睡眠覚醒リズム）が乱れると不眠を招きます。
現代は24時間社会といわれるほどで昼と夜の区別がなくなっており、昼夜のメリハリのない不規則な生活や夜型生活を送る人が多く、体内時計の乱れが原因で不眠症を発症する人が増えていると考えられています。

騒音や光が気になって眠れないこともあります。
入眠困難、中途覚醒や早朝覚醒が起き、眠りの質が低下するため、日中の眠気が生じ、活動に支障が出ます。